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- 子どもが事故加害者・被害者になってしまった
子どもが交通事故に巻き込まれることは、家族にとって大きなショックとなります。
加害者・被害者のどちらの立場であっても、迅速かつ適切な対応を取ることが重要です。
これから加害者の場合と被害者の場合に分け、それぞれの対応方法や注意点を解説します。
子どもが事故の加害者になった場合
小学生以下の場合
12歳以下の子どもは判断能力が未熟であるとされ、原則として不法行為責任を問われることはありません。
ただし、親には「監督者責任」があり、親の管理不足が原因と判断される場合には親が賠償責任を負うことがあります。
【例】
- 子どもが自転車で歩行者に接触しケガをさせた場合
- 子どもがボール遊び中に人や車に損害を与えた場合
親の監督不行届とみなされないためには、日頃から子どもへの交通教育や安全確認が重要です。
中学生以上の場合
13歳以上の子どもは、一定の判断能力があるとされ、不法行為責任を問われる場合があります。とはいえ、親の管理責任が免除されるわけではなく、管理不足が原因で事故が起きた場合、親も賠償責任を負う可能性があります。
【例】
- 整備不良の自転車を親がそのまま使わせた結果、事故が発生した場合
- 道路交通ルールを親が十分に教えていなかった場合
親子で個人賠償責任保険に加入しておくことで、賠償金の負担を軽減することができます。
子どもが事故に巻き込まれたときの対応
事故直後にするべきこと
まず最優先すべきは、子どもの安全を確保し、速やかに医療機関で診察を受けることです。
見た目には外傷がなくても、後から症状が出る場合もあるため、念のための診断が必要です。また、事故のショックで子どもが心理的な影響を受けることもあります。
必要に応じて、専門家による心のケアを検討しましょう。
さらに、事故現場では以下の対応を忘れずに行いましょう:
- 警察に連絡し、事故の記録を残す
- 加害者の名前や連絡先、車のナンバーを確認する
- 事故現場の写真を撮影する
保険の確認と活用
事故後、以下の保険が適用可能かを確認し、補償を受ける準備を進めましょう。
搭乗者傷害特約
車に同乗していた場合の補償を受けられます。
人身傷害補償保険
治療費、休業損害、慰謝料などを包括的に補償します。
自賠責保険
最低限の対人補償を提供します。
保険の内容を把握しておくことで、迅速な補償請求が可能となります。
示談交渉の進め方

治療が完了した後は、相手方の保険会社との示談交渉に進みます。
示談交渉では、治療費や慰謝料、付添看護費などを明確に算出し、適正な補償額を請求することが重要です。
特に後遺障害が残る場合は、弁護士のサポートを受けることで、補償額を増額できる可能性があります。
過失割合とその影響
過失割合の決定
交通事故では、事故原因に応じた過失割合が決定されます。
たとえば、子どもが飛び出し事故を起こした場合でも、年齢や事故状況が考慮され、過失割合が調整されることがあります。
歳未満の場合
親の監督責任が問われることが多く、子ども自身の過失は低く見積もられる傾向があります。
歳以上の場合
子ども自身にある程度の過失が認められる場合があります。
示談金への影響
過失割合が決まると、それに応じて示談金額が調整されます。
たとえば、示談金が500万円の場合、過失が20%と認定されると、受け取れる金額は400万円に減額されます。
過失割合に納得がいかない場合は、弁護士に相談し、適正な割合を主張することが重要です。
弁護士に相談するメリット
示談交渉の代行
弁護士が交渉を代行することで、過失割合や補償金額を有利に進められます。
また、弁護士基準で慰謝料を請求することで、結果的に補償額が増額されることが期待できます。
家族の負担軽減
保険会社とのやり取りや交渉は精神的・時間的負担が大きいものです。
弁護士に依頼することで、家族は子どものケアに専念できる環境を整えることができます。
過失割合の再調整
過失割合に不満がある場合、弁護士が状況を精査し、適正な割合を主張してくれます。
特に複雑な事故状況では、弁護士のサポートが大きな助けとなります。
子どもの交通事故に備える方法
保険の見直し
子どもが加害者・被害者になる可能性に備え、以下の保険を検討しましょう。
個人賠償責任保険
子どもが加害者になった場合の賠償を補償。
弁護士費用特約
弁護士相談費用をカバーし、法的サポートを受けやすくします。
日頃の交通教育
交通事故を未然に防ぐため、日頃から子どもに交通ルールを教えることが大切です。
特に自転車の安全な乗り方や道路の横断方法を繰り返し教育することで、事故のリスクを減らすことができます。
子どもの事故対応でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください

子どもが交通事故に巻き込まれた場合、家族は迅速かつ冷静に対応することが求められます。適切な保険の活用や示談交渉を通じて、子どもにとって最善の結果を目指すことが重要です。また、法律的な問題や過失割合の調整など複雑な場面では、弁護士の助けを借りることで、より円滑に解決を進めることができます。
姫路の「天野・上垣法律会計事務所」では、交通事故に関する専門的なサポートを提供しています。
子どもの事故対応でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。